現在、海洋環境は今までにない危機に瀕しています。プラスチック汚染、過剰漁獲、生息地の破壊などの問題により、海洋生態系は未曾有の危険にさらされています。
中国の深センで「Ocean House Exhibition」という展示会が、NGOとアーティスト共同で先日開催されました。この展示会では、十数人のアーティストと300人以上の共同制作者による、海から回収された海洋ごみを使用して制作された作品が設置され、作品を通して芸術的な共同創造性と海洋生態系の持続可能性を探求し、海洋環境の保全と生態系の持続可能性が促進されました。
ゴミから価値あるものへ
展示会のセンターピース「Ocean House」は、デザインの力を駆使して廃材を生まれ変わらせた例の一つです。このデザインは水滴からインスピレーションを得ており、海の波と海岸線を思わせる形状になっています。また外壁には、リサイクルされたプラスチックストローから作られたペンケースが飾られていて、海洋を汚染しているプラスチックごみの深刻な問題を強調しています。世界最大の海洋プラスチック廃棄物の集積地である大西洋ゴミベルトは、おおよそ620,000平方マイルと、フランスの面積の3倍に相当します。
「Ocean House」を訪れた人々は、単に視覚的に楽しむだけでなく、触覚、聴覚、嗅覚など、五感を通じてアート作品を体験することができます。展示会の作品は、複雑ながらもシンプルで、日常使いもできる実用的なデザインが特徴です。これらの作品は、訪れた人々を魅了し、リサイクルとクリエイティブがもたらす力を象徴しています。
この展示会は、テンセントの持続可能社会価値事業部であるテンセントSSVと多くの非営利団体、十数人のアーティスト、そして300人以上の共同制作者の協力のもとで実現しました。彼らの共通の目標は、海洋環境の保全と持続可能性についての意識を高めることです。展示会には、多くの市民、アーティスト、環境保護活動家が訪れ、再利用された海洋ゴミの美しさとその潜在力を肌で感じ、海洋生態を保護する緊急性を理解している様子が見受けられました。
創造力、連携、保護
展示会開催までの60日間、テンセントSSVはアーティストや共同制作者と協力し、「Ocean House」で展示される独自のアート作品を制作するために50回以上のワークショップを開催しました。多様な参加者を集め、それぞれが独自の創造力と視点を活かしてプラスチックごみを使った作品を制作することで、海洋環境に関する認識を高める機会となりました。
深センのアートセンターであるShenzhen Bomi Art Centerからは、100人以上の子供たちが展示品の制作に参加しました。中には3歳の子供たちも含まれ、数十の作品を展示会に提供しました。作業を始める前からも、子供たちは2か月間リサイクルと持続可能性について学び、家庭ごみを紙、ゴム、金属、ガラスなどに分類する方法について講義を受けました。
子供たちが制作した特筆すべき作品の1つが「Tidal Breathing(潮のような呼吸)」です。リサイクルされた廃材と複合材料を使用して製作されたこの肺の形のアート作品は、呼吸を海の潮汐に見立て、海洋の環境保全に対する意識喚起を行うものでした。
アート作品の制作過程で、子供たちは人間の活動が海洋に与える影響を理解し、学んでいました。この教育的要素は、イベント参加者の間で環境保護への責任感と使命感を育む重要な役割を果たしました。
デジタルツールの活用
Ocean House Exhibitionの開催期間中、テンセントSSVは世界的に有名なAIとNFTアーティストSong Ting(宋挺)氏と共に、AIアートジェネレータによって駆動される「Painting Dreams(夢を描く)」Weixinミニプログラムを開発しました。
このミニプログラムでは、願い事を入力することで、自閉症の子供たちの描画スタイルを学習したAIによって生成された絵画を作成することができます。このプロジェクトの目標は、より多くの方々に海洋生態保全のため、行動するように促すことです。
さらにテンセントSSVは、美術館の協力を得てブロックチェーン技術を応用したデジタルアート作品を数量限定で発行し、環境保護に熱心な方に無料で提供できるよう取り組みます。作品によっては、一般販売し、売上金を海洋環境保全の取り組みを支援する慈善活動へ寄付する予定です。
※こちらに掲載されているリリースは、配信当時の情報も含みます。キャンペーン開催期間終了等、中には時効となっている情報も含みますので、ご注意ください。