すでに世界を変革しつつあるAI駆動技術について

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テンセントのイベント「テンセント ライト イノベーション キャンプ(Tencent Light Innovation Camp)」が先日開催され、「子どもの健康」、「高齢者の安全」、「生物多様性の保護」の3つのテーマに焦点が当てられました。

イベントでは、合計1,429件の提案書の中から24のプロジェクトがファイナリストとして選出されました。これらのプロジェクトは、AI(人工知能)、データ、補助技術を活用することでポジティブ且つ効果的な社会貢献を図る取り組みとなっています。

第3回 テンセント ライト イノベーション キャンプ説明会
第3回 テンセント ライト イノベーション キャンプ説明会

イベントが成功裏に終えたところで、今年見られた革新的なプロジェクトのハイライトを振り返りましょう。

Guardian Star Project(ガーディアンスタープロジェクト):自閉症の子どもたちのリハビリテーションを変革する

中国では、推定1,300万人が自閉症と診断されており、治療の成果を上げるには早期発見と介入が重要とされています。Dumbo Elephant研究チームが主導するこのプロジェクトは、AI技術を活用し、自閉症の症状を持つ子どもたちがリハビリテーションや医療診断施設を利用しやすくすることを目的としています。

Dumbo Elephant研究チームは、標準化された問診票と採点方法を用いることで主観や先入観による判断ミスを最小限に抑え、診断の客観性を向上させる取り組みを行っています。AIデータベースは理学療法士が使用するトレーニングプランの作成に役立ち、それによって自閉症の子どもたちの治療の成果向上につながります。

アプリ機能について紹介するDumbo Elephant研究チームメンバー

このプロジェクトでは患者の問診コストを70%以上、リハビリトレーニングのコストを50%以上削減でき、家族の負担を減らすことに繋がります。

Yi Xing(易行): 迷子になった高齢者の安全な帰宅をサポート

中国では高齢者の行方不明が年間50万件も報告されており、4時間以内に発見できる確率は50%以下と言われています。プロジェクト名の「Yi Xing(易行)」は「気軽に旅に出る」という意味で、迷子になった高齢者に対してアプリの音声案内を駆使して安全に帰宅できるようにサポートします。

アプリは利用のしやすさを重視して設計されており、AIベースの音声認識と自然言語処理(NLP)技術を組み込んでいます。36種類の中国語方言をサポートし、文字を読むことができない高齢者や訛った話し方をする人でも簡単に利用できます。高齢者はアプリ内で自宅の住所や連絡先情報を入力し、迷子になった場合には簡単な音声コマンドで帰宅先を案内したり、家族と連絡を取ることが可能です。また、二次元バーコード機能も備えており、通行人が行方不明の高齢者を発見した際、この二次元バーコードをスキャンすれば帰宅を支援することができます。

AIを活用した高齢者の支援方法について説明する開発チームメンバー

「Yi Xing(易行)」は迷子になった人の位置を迅速に特定し、リスクを軽減することに役立ちます。
高齢者だけでなく、その家族や介護者にも安心感を与えます。

Zhiyue(植樾):古木の保護

2004年に発表された「淄博市の古名木」報告書では、479本の淄博古名木が確認されています。中国の古木を守るため、古木に関する総合的な情報不足を解消するために開発されたのが「Zhiyue(植樾)」というアプリです。

「Zhiyue(植樾)」にはAI技術を搭載しており、樹木の情報を登録することで全国の樹木の地図を作成することができます。高度な自然言語処理技術により、情報を標準化して各樹木に固有のIDを割り当てることで、地図を充実させていきます。これにより、効果的に樹木の健康状態を観測し先立って保護対策を行うことができます。

「Zhiyue(植樾)」を使用することで、生物多様性の保全や古木が持つ文化的・歴史的な価値の保存に役立ちます。

「Zhiyue(植樾)」では、樹木の詳細情報として樹齢、大きさ、および樹勢レベルなどが表示されます。

AIGC(AI生成コンテンツ):予測可能な野生動物保護

アルタイ山脈自然保護チームは、アルタイ山脈で絶滅の危機に瀕した野生動物の生息地を監視・予測することを目的としたAI生成コンテンツプロジェクトに取り組みました。雪や氷で覆われて研究が困難であった山岳地帯における研究効率やデータ収集の正確さを向上させます。

このプロジェクトでは、野生動物の生息状況のモニタリングと予測を効率化するためにAI技術を活用し、研究上の課題を克服しています。気象、水文学、土壌、植生などの重要な要素を分析し、適切な生息地を特定できるルールを確立した上で、モンゴルビーバーなどの絶滅危惧種が食料を確保できる限界値を推定しています。このアプローチにより、的を絞った森林再生活動が可能となり、野生動物との衝突や被害を減らすことができます。

野生動物の生息状況のモニタリング装置を設置するアルタイ山脈自然保護チームメンバー

効果的なモニタリングと予測をサポートするために、チームはネットワークプラットフォームを開発しました。AIGCとデジタルツイン技術を活用して作られたこのプラットフォームでは、野生動物の画像データと持続的な環境要因の観測データを統合しています。野生動物の生息地を包括的に理解し、生物多様性の保護活動を成功させることを目指しています。

光の力はポジティブな変化をもたらす

「テンセント ライト イノベーション キャンプ(Tencent Light Innovation Camp)」は、テクノロジーが社会や環境の課題解決において重要な役割を果たすことを示しました。このイベントはインターネットと社会の架け橋となり、社会組織や公益団体が協力してAI、クラウドコンピューティング、補助技術を活用することで人々の福祉に貢献し、調和のとれた社会を構築することを奨励しています。

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