テンセント2022 ESGレポート: 各方面での進歩

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テンセントはこの1年間において、ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みを進展させてきました。今週発行された「2022 ESGレポート」では、カーボンニュートラルや生物多様性の保護、DEI(多様性、公平性、包括性)に関する取り組み、差別や偏見を減らすためのサステナブルな社会的価値のイノベーション推進について紹介しています。

テンセントは「Tech for Good」という経営理念を掲げ、2022年にはESGパフォーマンスの向上に引き続き注力する一方で、ビジネスパフォーマンス全体を評価するバランススコアカードに社会的価値の創造を加え始めました。

テンセントの取締役会長兼最高経営責任者であるPony Ma(馬華騰)は「社会的課題を解決できる製品を創造することが、結果として持続可能な社会的価値のイノベーション戦略の導入に繋がっています。」とESGの重要性を述べています。

また、テンセント社長のMartin Lau(劉志平)は「私たちは真の社会的ペインポイントを特定し、製品や技術による革新的な解決方法を見つける必要があります。この過程において、私たちの製品が特別なユーザー価値を生み出したかどうか、倫理的なボトムラインを守っているかどうかを考慮することが企業の社会的責任だと考えます。」と強調しました。

環境保護: 2030年までのカーボンニュートラル実現

テンセントは、2030年までに自社事業とサプライチェーンにおける完全なカーボンニュートラルおよび100%グリーン電力の達成を宣言しています。

カーボンニュートラルの実現において、排出量削減と再生可能エネルギーを優先課題としており、これらをカーボンオフセット技術とメカニズムが支えます。パリ協定に沿って脱炭素目標を精査し、温室効果ガス排出量の削減目標を設定しています。この1年間で、私たちは約34万メガワットのグリーンエネルギーを購入し、約24万トン以上の炭素排出量を削減しました。 また、今年3月には「CarbonX」プログラムを、昨年12月には「TanLive」プラットフォームを立ち上げ、次世代低炭素技術の開発を支援しています。

自然災害のリスクをより適切に管理・予防し、人類発展の機会をつかむため、テンセントは「生物多様性宣言」を発表しました。環境に配慮した事業展開のための戦略とアプローチを示し、天然資源への依存度を減らすことで生態系や希少種の保護を約束します。

ソーシャル: 社会問題を解決してポジティブな変化を促進

テンセントは社会問題の解決に取り組み、社会にポジティブな影響をもたらすことに注力しています。

例えば、AI技術はアクセシビリティを向上させ、体に不自由がある方により良い生活水準をもたらしています。会話と文章、双方への変換が可能な音声認識技術を用いた「Barrier-Free First Aid」の導入により、聴覚障がいのある方でも効率的に救助を求めることが可能になりました。我々のMTGPAハプティクスソリューションは、スマートフォンの振動によって高齢者や目が不自由な方の屋内外の移動をサポートします。

スマートテクノロジーは、運輸、医療、製造などの分野の業務効率向上に貢献しています。 さらに、ゲーム技術を応用したインターネット上のバーチャル工場の建設、デジタル技術を駆使したバーチャルツーリズム、AI技術で実現したパルサー探査機「Sky Eye」(FAST: 500メートル口径球面電波望遠鏡)などが、新たな価値を生み出しています。

基礎科学の研究、教育のイノベーション、緊急事態での支援といった「持続可能な社会価値イノベーション」を推進することは、テンセントにとって重要な礎です。

2022年にテンセントが行った「未来の科学者プログラム」では、20組の優秀な中高生をスポンサーして、著名な科学者から個人指導を受けたり、救急隊員が最寄りのAEDを迅速に探し出せるようオープンな緊急対応プラットフォームを開発しました。さらに「一花一夢」という新しいインタラクティブ機能を立ち上げ、チャリティ活動への参加をより一層促しています。テンセントが毎年行っているチャリティキャンペーン「99ギビングデー」には1億人以上の参加者が集まり、2022年には約33億人民元(約638億円)を寄付し、社会的弱者や恵まれない人々を支援しました。

女性が活躍できる環境を用意するのは、テック業界を含むすべての業界が直面している課題です。テンセントは、職場の多様性にも力を注いできました。昨年は、DEI(多様性、公平性、包括性)に関する特別委員会を設置するなど、この分野での取り組みを強化しています。

テンセントは、社内の多様性を着実に高めていくことを約束し、より公平でオープンで包括的な環境を育成するための人事管理プロセス、メカニズム、従業員意識向上プログラムを導入しています。また、より多くの女性が業界の発展に積極的に参加し、個人のキャリアアップを追求することを奨励するために「Women Impact Tech Conference」を開催しています。

ガバナンス:取締役会の多様性向上とESGの強化

長期的な持続可能性を確保するためには、取締役会の多様性を高め、ESGにおけるガバナンスを強化することが必要不可欠です。

昨年の3月、テンセントは「取締役会の多様性方針」を更新しました。 この更新に伴い、今後取締役会のメンバーを選出する際には、業界の知識、専門的な経歴、経験、性別、人種といった多様性の要素を包括的に考慮していきます。

またZhang Xiulan(張秀蘭)教授は非役員の独立社外取締役として2022年に取締役会に参加しました。彼女独自の視点、豊富な業界経験、専門的知見に基づく助言もあって、取締役会の女性取締役の割合は2023年5月以降に25%に達する見込みです。取締役会は2030年までに女性取締役の比率を30%に引き上げることを目指しています。

ESGの課題を把握し、社内の連携性を向上させるため、ESGワーキンググループの下に5つの委員会を設置しました。これらの委員会は、ユーザーのプライバシーとデータセキュリティ、多様性、公平性と包括性、サプライチェーン管理、生物多様性保護、ESGコミュニケーションを統括しています。

テンセントは、商業的価値、社会的価値、株主価値のバランス管理を積極的に心がけてきました。自らの強みを生かし、すべてのステークホルダーと協力してポジティブで長期的なインパクトを与え、人々と社会への貢献に全力を尽くします。

テンセントのESGへの取り組みについては「2022 ESGレポート(英語)」で詳しくご紹介しています。

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